ネットを巡回していたら、トライアスロン系のサイトで「LSDは効果が薄い」という記事を見つけました。(ただし、この記事には英語の誤読からか、間違いがあります)
その論拠となっているのがこちら、Helgerudらによる2007年の論文です。[PDFはこちら]
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サイクリングやマラソンなどで重要になるのが最大酸素摂取量(VO2max)とランニングエコノミー(Cr: 多くの場合VO2maxに対する%)です。持久力を鍛えるというのは主にこの二つを向上させることになります。
BICYCLE21を買っていないので孫引きですが、世界選王者のベッティーニは93%だそうです。(AT心拍数=Crでいいと思います(たぶん))
補足: ちなみに、英語ではAT (急激に乳酸がたまり始める境界、最大心拍数の85%程度) はLT (lactate threshold) というようです。ATだとAerobic ThresholdかAnaerobic Thresholdかわからないためでしょう。参考ページ
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では、話を戻します。
論文によると、週3回8週間で、4つのトレーニング法、LSD(最大心拍数の70%), LTトレーニング(=ATトレ、同85%)、15/15(15秒の90-95%トレ→15秒間70%で流す、を繰り返す)、4×4m (4分間の90-95%トレ→3分間70%で流す、を繰り返す)、を行った場合、すべてのトレーニング方法でほぼ同じくらいランニングエコノミーが向上したが、VO2max の向上は 15/15と4×4mでのみ確認された、とのことです。(はじめに示した記事では、LTトレがランニングエコノミーに顕著に効いたと書いてありますが、たぶん読み間違いです: Conclusion より: In all the training groups Cr improved significantly, with no differences between groups.)
また、LSDではVO2maxの向上はみられなかったばかりか、図2を見る限り、逆に低下してしまっているようです。
以上から、LSDだけに頼るとVO2maxの視点から逆にマイナスになる場合があり、高強度インターバルのトレーニングの方が持久力アップには効くようです。この場合、15/15より4×4mを行うことが推奨されています。15/15では、時間が短いことから90-95%領域に達することが難しいから、とのことです。
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