Google ストリートビューが「ダメ」な理由 : あんたらは準備の出来ていないWindowsマシンをネットに強制的に晒すのか?

少し前に、Googleのストリートビューが公開されました。
[紹介記事 on Internet Watch]

米国での公開時から違和感を感じていたけれど、最近やっと上手い言い方にたどり着いたので某所にも書いたけどこちらにも書いておく。

ストリートビューは便利だし、面白い。これが無くなることはなく、発展していくでしょう。

彼らの理論では「家なんてダレからでも見られるんだから、元々公開してあったじゃん」となっているけれど、これは違う。そこには「物理的ファイアーウォール(FW)が有る」んです。簡単に言うと、空間FWと手間FWです。

京都の下町の一角なんて、世界中の人から見られるなんてことはないし、日本中からということもない。京都の人なら何とかなるけど、それでもわざわざ見に来ようとする人なんていないし、見に来るのにもそれなりの費用がかかる。これが空間FWです。

ネットワークに照らし合わせれば、プライベートネットに当たるわけで、そこにあるノード(家)もそれを踏まえた状態(低セキュリティ状態)にあるわけです。当然、世界中の人から見られる準備なんてされていません。逆に、元々ある程度に人に見られる前提の商店街など(DMZ相当)は、それなりの状態になっています。

つまり、ストリートビューが行ったことをネットワークに当てはめると「プライベートネットワーク内に無防備のWindows端末が有ったときに、端末の管理者に一切通知すること無く、強制的に外部ファイアーウォールを撤去してインターネットに晒す」ことに等しい。
(本当は、晒されたことに気づかない人、気づいても対処できない人が多いのでなお悪い)

たとえ、それで便利になるとしても、これが非常によろしくないことは、多くの人、Googleの中の人も理解しているはずです。便利になるから移行するとしても、ちゃんと通知して、緩やかに移行できるようにするべきです。ストリートビューは法的・技術的には問題有りません、が、公開までの手順が「倫理的に」破綻しています。

物理世界はネット世界と違って、コマンド数行で状態を変えることが出来ません。例えば「道から見える窓を無くす」といったことを行うにも多大な労力と時間がかかります。ネット世界のことを、単純に物理世界に当てはめないで下さい。物理世界の変化は非常に遅く「対処しろ」といわれてもすぐには対応できません。

おそらく将来的には、これらがリアルタイム更新になって、時間FWも外されるでしょう。そのときはもっと上手く対処していただけるようにお願いいたします。